トップ > 理事長コラム

 

 

《理事長コラム 一覧を見る》

 
 

2011年12月

 
 

   私たちの法人では、職員のインターンシップ研修をおこなっています。介護をする人には、ケアの技術だけでなく、人間を尊重する力・人権、さらに社会の仕組みを知り・変える力を学ぶ必要があります。そのためには人としての多様な経験を積み、いろいろな人や場所から「生きる」ということを学んでもらうことにしました。これがインターンシップ研修です。自ら「研修」を企画し申告し、法人が費用を支援しています。
   今年は、個人の申告だけでなく、法人が東日本大震災の被災地を訪問する企画を立てました。人や地域の生活が根こそぎ失われた場所で、どのように復興が行われているのか、また何が復興を妨げているのかを学び、個人の力、人がつながる力、人の強さ・弱さ、政治の力や無力さを知り、私たち一人一人にできることを探るための企画です。
   案内は、MOMOが1年間職員やご家族から集めた募金を寄付している宮城県登米市の被災地支援NPO「ぐるっと」にお願いしました。
   新幹線のくりこま高原駅から現地でチャーターしたバスに乗り、2日間おもに宮城県の南三陸町、気仙沼市そして仮設住宅を回るコースでした。
   バスで通ると、被災した小さな集落(といいうより集落だった、今は何もない荒地)が次々と現れ、あまりの津波の被害の広さに唖然とします。


   また、どこを訪れてもがれきの山。


   忘れられないのは、「ほんとの行方不明は、忘れられてしまうこと」とおっしっゃたお寺の和尚さんの話でした。被災地の現地でお会いした方はだれもが「ともかく足を向けて見に来てください。」と、私たち見学者を暖かく迎えてくださいました。
   何はともあれ寄付を重ね、足を向けてきましたが、気仙沼の小さな漁港でワカメ漁を再開した海の男たちにお会いして、


   今後は、そこで取れた海の幸をMOMOの施設で食べることで、復興とおいしさのつながるりを育てます。
   2月の新ワカメが楽しみです。      (2011年12月  理事長 又木京子)

 
 

2011年10月22日

 
 

   10月17日(月)に、当法人で「介護における医療との隣接行為について」という題目で、全事業所リーダーが15名集まり、学習会を行いました。講師には、横浜国際福祉専門学校講師の寺沢さんをお招きしました。寺沢さんは、介護現場でも8年ほど経験があり、今は、横浜国際福祉専門学校の講師をされています。現場での経験と、学校での講師という二つの視点からお話をしていただきました。
まず、学生を指導する立場から見て、現場の実務だけでの経験では、できることとできないことの偏りができてしまうとのお話がありました。福祉の学校では、全体を網羅して指導しますが、現場の実務では、自分の経験以外のことを学習する機会があまりありません。また、介護技術以外にも、法律についても知らないといけません。介護技術、法律ともに学習して、職員間で共有する必要性を教えていただきました。
医療隣接行為については、医師法の解釈より、医療行為ではないものについて、また、それぞれの行為の注意点を、表をもとに分かりやすく説明していただきました。
これからの考え方として、以下のことを教えていただきました。
・  基本は法律の順守である
・  医療が必要な状態にできるだけならないよう、「介護予防」の観点をもつ
・  契約時にできることとできないことを明文化したものをあらかじめ本人、家族に説明する
・  医療が必要な状態になった場合、医療職、ケアマネージャー、家族との連携
・  介護職員が不安に感じるような行為については、医療職からの指導が受けられる環境を
    つくる

当法人においても、今後とも、医療隣接行為の正しい理解のもと、医職との密接な連携をとってまいります。

 
 

2011年8月2日

 
 

   このほど当法人MOMOは介護保険法第83条に基づき、「居宅介護支援事業所ポポロ」において、神奈川県介護保険課より監査を受けました。
監査の内容は居宅介護支援事業所ポポロにおいて、看護師等の資格を有する従業員のいない通所介護事業所に対して、そのことを知りながら利用者の褥瘡の処置を依頼したことが確認されました。
その結果、上記内容について勧告を受けることになりました。
当法人は直ちに改善内容を理事会にて検討し、下記のように決定いたしました。
改善内容
1.介護保険法の再確認
2.当事由の調整と原因の究明
3.法令遵守規程を事業所内に徹底する
4.再発防止のための対策
   ①全事業所で介護保険サービスの実態を調査し、利用者の安全を図る
   ②全事業所の職員に法令遵守を周知する
   ③全職員を対象に介護保険法の学習会を開く
   ④居宅介護支援事業者自主点検表をもとに、6ヶ月毎月調査を行う
   ⑤就業規則41条に基づき、法人理事長、法令遵守責任者、当該施設長、居宅介護支援
     事業所管理者に反省を求めるため懲戒に処する。その内容は始末書の提出及び3ヶ月
     間10分の1の減給とする
   ⑥当事由の発生、原因の究明、対策、懲戒について当法人ホームページ上で公表する

当該ご利用者様・介護保険事業者様には多大なるご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申しあげます。今後は介護保険事業所として介護保険法及び関係各法令を遵守し、全事業所職員への周知徹底に努めてまいります。

 
 

2011年5月10日

 
 

   逗子市のグループホーム「ほっとハウス星ヶ谷」が開所。MOMOの持つ法人設立、市民資金集め、介護技術などのノウハウを提供し、地域福祉の繫がりが増えました。
5月7日、逗子市に市民がつくるグループホーム「ほっとハウス星ヶ谷」の開所式があり、出席しました。運営は逗子の市民でつくる「NPO法人きらら」です。
2年半前にMOMOの経験を学びたいと逗子に招かれ、市民資金を使って施設をつくることを伝えました。その後、「ポポロ本厚木」を見学し、私たちの持つノウハウをできる限り提供しました。市民資金を4千万円ほど集め、国からの補助金も得、不足する資金はMOMOが提供(貸し付け)しました。
米軍住宅で有名な神武寺駅近くの閑静な住宅街に、近隣の住宅に溶け込むような2階建てのグループホームです。新築の施設はキラキラしてうらやましい。
1階は、他のNPO法人のケアマネ事務所や、病人食などを手掛けている栄養士のグループが入ります。地域に開かれたスペースでは、今のところ週1回子育て支援に使われます。地域福祉の拠点の始まりです。
開所式には、地域住民や市民資金の貸付け者など100人くらいが集まり、逗子の市民の期待が大きいことを感じました。
私は当面は、法人監事として参加し、MOMOと逗子の地域福祉の繫がりを見守るとともに、私たちも新しい施設から学びたいと考えます。

MOMO理事長  又木京子

  

 
 

2011年4月3日

 
 

   被災者支援、被災地復興のため、NPO法人MOMOは、市民法人として、私たちにできることを速やかに進めたいと考え、スタッフや利用者、関係者に向けた義援金募集、それに加えて、現地で困っているお年寄りの受け入れをすることにしました。
   義援金は、法人会員やスタッフ個人から100万円と法人から100万円合計200万円を赤十字に寄付しました。
   また、戸室のサービスハウスポポロの1室を提供することを厚木市に申し出たところ、ちょうど南相馬市からお孫さんのところにご家族で避難していらしたお年寄りが、包括支援センターを通じて入居されました。介護者のご夫婦は、「すぐに南相馬に帰って、町や勤め先の復興に参加したいけど、介護があって身動きできなかった。介護の状況も整わなかったので、これで安心して南相馬に帰れます。」と喜んでいらっしゃいました。
   MOMOには、グループホームもあり、特に市が尾ポポロでは使える部屋もあるのですが、入居者の国の制度基準があり、この制限を外して受け入れることが出来るか、検討してもらっています。

MOMO理事長  又木京子

 
 

2011年2月17日

 
 

   介護保険の現場で今一番ホットなニュースは、「お泊りデイ」の増加と、それをどこまでルール化できるかの議論です。
   「お泊りデイ」は、介護保険の小規模デイサービスの部屋に、言葉は悪いが雑魚寝の施設です。泊まりは制度外サービスのため一切の規制を受けず、国・自治体、介護保険事業者などが利用者の安全を不安視する一方で、利用者にはともかく安く無制限で泊まることができるため人気が上っています。
   しかしよく考えれば、ショートステイは不足、特養はベット差額料金を課し、有料老人ホームも高額なものが多いのに対し、低額で無制限のショートステイを利用したい人に配慮したよく工夫されたシステムなのです。
   介護保険制度は、介護の社会化を目的とし、基本は在宅介護支援でした。しかし、制度化10年以上を超えた現在、入所・入居へのニーズが高くなっています。その主な原因は3つ。無縁社会化、介護者の高齢化に加え、介護者の女性たちが仕事を持ち始めていること、があげられます。
   そこで国は、在宅と入居の中間に位置づく仕組みとして「小規模多機能施設」を制度化しました。これは、デイサービスの施設で泊まり・訪問が柔軟にサービスを受けられる仕組みです。しかし、経営が困難ということで手を挙げる事業者が少ないのです。宿泊は4畳半以上の個室、看護師とケアマネが必置、日中のスタッフも普通のデイサービスの1.5倍、それなのに収入は介護度別保険料の約7割に制限。どんなに素晴らしい制度でも、経営が成り立たなければ、手を挙げる事業者が少ないのは当然です。現場を無視した制度なのです。最大課題は、在宅サービスのケアマネは、小規模多機能より「お泊りデイ」を紹介するほうが利用者を確保し続けることができるということ。小規模多機能施設は、利用者獲得も困難なのです。
   困りものの「お泊りデイ」は、国の「机上の空論の制度ミス」から生まれたのです。
   新年度、国は「お泊りデイ」の調査費用を10億円予算化する予定です。東京都は、独自のガイドラインを設定します。でもこんなことより、小規模多機能施設の規制を緩やかにし、事業者が運営しやすくするほうが簡単です。第一にやらねばならないのは、利用者の安全の監視者になり、質の高い小規模に利用者を紹介するため、ケアマネを外部化することです。調査費用10億円がもったいない。

MOMO理事長  又木京子